残暑

立秋はもう過ぎたはずだ。日付を確認したわけではないが、たしかこれくらいの時期だった。今は残暑というわけだ。自分がこれまでに過ごしてきた夏を思い返せば、残暑と呼ばれる時期に入ってからのほうが明らかにそれ以前より暑かったことが多かったように思うが、今日は比較的涼しかった。日中も先月ほどの息苦しさがなく、夕方に至っては少し肌寒さを感じたくらいだ。それでも自転車を走らせれば汗が垂れる程度の熱はもっていた。なるほどこれを残暑と昔の日本人は呼んだのだろうか、なんて一人納得していた家路だった。
しかしまあ、先月があまりにも暑すぎたので感覚が麻痺しているのだろう。今の室温は28℃だが、同じ28℃でも38℃に晒された後の28℃だ。わけが違う。人間というものは絶対的な感覚以上に相対的な感覚を持つものだと、文字通り肌で感じたのであった。