心の抑揚

「世界の彩り」なんていうものは結局のところ、自分の心の抑揚に支配されているのではないか、ということに思い当たってからというものの、極彩色の世界に自分はどう対峙すればいいのか、態度を決めあぐねている。世界が極彩色に見えるくらいなのだから、たまには炭酸水の水面のように弾けてやるのも悪くない、そんなことを思いつつも、いまいちそうしきれない自分もいる。もとより、気付く前の自分の振る舞い方を思い出せない。ああ、自分は違う色に染められたんだなあ、そこまで考えて、はじめてそう理解した。はじめてそう理解できた。